『オランダへ ようこそ』
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ネット中、衝撃的な詩を発見。
出処、本元を探してみたのですがわからないので転載します。
(今回の転載元はこちら→「絵カードのおうち」)
オリジナル(英文)は「続きを読む」に転載しておきます。
(問題があればご連絡ください)
*********************************************
『オランダへようこそ!』
エミリー・パール・キングスレー
障害のある子供を育てるのって、どんな感じなの? と聞かれる時があります。
このユニークな経験の無い方々にちょっと想像してもらおうと思って書きました。
赤ちゃんが生まれるのを待っている時って、
一生に一度の豪華イタリア旅行を計画してるような気分。
たくさんのガイドブックを買い込んで、どんな事をしようかと計画で頭がいっぱい。
楽しくて、楽しみで、とても幸せな気分。
ちょっとした会話の本まで買っちゃって、イタリア語での挨拶も覚えようとしたりして。
豪華ホテルってどんなかしら?
美味しい食事も楽しめそう。
どんな服を着ていこうかしら?
夢は膨らむばかりです。
周りの友達も一人ずつイタリア旅行の計画を立ててるわ。
情報交換して思いっきり楽しまなくちゃ。
数ヶ月が経って、ついに私たちの順番が来た。
カバンにいっぱい荷物を詰めて飛行機に乗り込む。
計画も完璧。あとは現地に着くのを待つだけ。
飛行機がとうとう着陸態勢に入って、ドキドキする。
スチュワーデスのアナウンスが流れてくる。
「オランダへようこそ♪」
・・・・???
オランダですって??
オランダって、いったいどういうことよ??
私はイタリアへの旅にサインしたのよ??
イタリア旅行をずっとずっと夢見てきたのに!!
でも、何かの手違いで飛行機はオランダに着いてしまった。
変更も出来ないらしい。
こうなったらオランダで過ごすしかないみたい。
大事な事は、
飛行機は無人島でも、気持ちの悪いバイキンだらけの環境の悪い所に着いたわけでもないってこと。
ただ、「ちょっぴり違う場所」ってだけ。
サァ大変だ。
私は慌ててオランダの観光案内を買い込む。
計画していた時とは違った言葉も覚えなおして。
今まで会った事の無い人達の中に入って・・・。
ここは違う場所。
イタリアよりペースはゆっくりとしているようだわ。
イタリアほど豪華な所でもないみたい。
あんなに一生懸命に計画を立てたのに。
「一生に一度の豪華旅行」のはずだったのに。
でもある日、ゆっくりと胸に空気を吸い込んだら、
素敵な風車が目に付いた。
綺麗なチューリップが目に付いた。
あら、レンブラントっていう素敵な絵を描く画家も居たのね。
ちょっとずつ、オランダを楽しめるようになってきた。
周りの人たちはイタリア旅行の話で盛り上がってる。
「あそこは素敵だったわねぇ」とか「あら、こんな場所もあったわよ?」とか。
みんなとても楽しんできたみたい。
みんなの話を聞きながら私は思う。
「そうよ。私もそこに行くはずだったのよ」
「イタリアに行く」という夢が破れたショックと痛みは永久に消えないでしょう。
でも、「イタリアに行けなかった事」をいつまでもウジウジと考えていたら、
オランダの素晴らしい風景や文化を楽しめなかったでしょう。
みんなとは違う土地だけど、
私はオランダを思い切り楽しんで、そして大好きになりました。
オランダへようこそ!
*********************************************
よく我が子の障害受容のために、
『わたしがあなたを選びました』とか、
「神様は乗り越えられない試練を与えない」って言葉とかを示されるけど、
きっとこの詩もそのような形で伝わっているんでしょうね。
作者のエミリー・パール・キングスレーさんは、ダウン症のお子さんがいて、
この詩は1987年に書かれたものだそうです。
「あーーーそれだ!!」
まさに自分の感覚はこんな感じだった!!(笑)
と、膝を打ちたくなったので、こうして記事に残しておくことにしました。
旅行やおでかけとなると、まずはガイドブックや現地情報の検索をせずにはいられない、後天性自閉症とも言える私こじまる。
出産前にはハウツー本だの、情報誌だのに飛びつきましたし、
妊婦仲間を見つけようものなら、メールで妊娠、出産ネタばかりしてました。
寝ても覚めても頭の中は妊娠のことだらけで、
産後のかわいいまだ見ぬ我が子との甘い生活の夢ばかりみてました。
(そう、そんなことを懲りずに3回も続けました!!)
だけど行ってみたら、「本に書いてあったこととちがーう!」とか、
「すいません、全然通じないんですけどー?」な連続。
「そっか! 行先が違ったんだ!!」
ってことに今さら気づかされ、そして納得した気分です。
「でもやっぱりイタリアに行きたかった」
とか、
イタリア旅行の話をしている群れに嫉妬を感じる・・・とか、
あ~~~わかりますねぇ~~~~。
オランダの良さはわかったよ。
わかるんだけど・・・・・・みたいな気持ちは、一生ついてまわるのかもしれません。
読む人によっては千差万別らしいこの詩を読んでの感想。
みなさまいかがでしたか?
Welcome To Holland
by Emily Perl Kingsley
I am often asked to describe the experience of raising a child with a disability -- to try to help people who have not shared that unique experience to understand it, to imagine how it would feel. It's like this.
When you're going to have a baby, it's like planning a fabulous vacation trip -- to Italy. You buy a bunch of guidebooks and make your wonderful plans. The Coliseum, Michelangelo's David, the gondolas in Venice. You may learn some handy phrases in Italian. It's all very exciting.
After months of eager anticipation, the day finally arrives. You pack your bags and off you go. Several hours later, the plane lands. The stewardess comes in and says, "Welcome to Holland".
"Holland?" you say. "What do you mean, Holland? I signed up for Italy! I'm supposed to be in Italy. All my life I've dreamed of going to Italy."
But there's been a change in the flight plan. They've landed in Holland and there you must stay. The important thing is that they haven't taken you to a horrible, disgusting, filthy place, full of pestilence, famine and disease. It's just a different place.
So you must go out and buy new guidebooks. And you must learn a whole new language. And you will meet a whole new group of people you would never have met. It's just a different place. It's slower paced than Italy, less flashy than Italy. But after you've been there for a while and you catch your breath, you look around, and you begin to notice that Holland has windmills, Holland has tulips, Holland even has Rembrandts.
But everyone you know is busy coming and going from Italy, and they're all bragging about what a wonderful time they had there. And for the rest of your life, you will say, "Yes, that's where I was supposed to go. That's what I planned."
The pain of that will never, ever go away, because the loss of that dream is a very significant loss. But if you spend your life mourning that fact that you didn't get to Italy, you may never be free to enjoy the very special, the very lovely things about Holland.
出処、本元を探してみたのですがわからないので転載します。
(今回の転載元はこちら→「絵カードのおうち」)
オリジナル(英文)は「続きを読む」に転載しておきます。
(問題があればご連絡ください)
*********************************************
『オランダへようこそ!』
エミリー・パール・キングスレー
障害のある子供を育てるのって、どんな感じなの? と聞かれる時があります。
このユニークな経験の無い方々にちょっと想像してもらおうと思って書きました。
赤ちゃんが生まれるのを待っている時って、
一生に一度の豪華イタリア旅行を計画してるような気分。
たくさんのガイドブックを買い込んで、どんな事をしようかと計画で頭がいっぱい。
楽しくて、楽しみで、とても幸せな気分。
ちょっとした会話の本まで買っちゃって、イタリア語での挨拶も覚えようとしたりして。
豪華ホテルってどんなかしら?
美味しい食事も楽しめそう。
どんな服を着ていこうかしら?
夢は膨らむばかりです。
周りの友達も一人ずつイタリア旅行の計画を立ててるわ。
情報交換して思いっきり楽しまなくちゃ。
数ヶ月が経って、ついに私たちの順番が来た。
カバンにいっぱい荷物を詰めて飛行機に乗り込む。
計画も完璧。あとは現地に着くのを待つだけ。
飛行機がとうとう着陸態勢に入って、ドキドキする。
スチュワーデスのアナウンスが流れてくる。
「オランダへようこそ♪」
・・・・???
オランダですって??
オランダって、いったいどういうことよ??
私はイタリアへの旅にサインしたのよ??
イタリア旅行をずっとずっと夢見てきたのに!!
でも、何かの手違いで飛行機はオランダに着いてしまった。
変更も出来ないらしい。
こうなったらオランダで過ごすしかないみたい。
大事な事は、
飛行機は無人島でも、気持ちの悪いバイキンだらけの環境の悪い所に着いたわけでもないってこと。
ただ、「ちょっぴり違う場所」ってだけ。
サァ大変だ。
私は慌ててオランダの観光案内を買い込む。
計画していた時とは違った言葉も覚えなおして。
今まで会った事の無い人達の中に入って・・・。
ここは違う場所。
イタリアよりペースはゆっくりとしているようだわ。
イタリアほど豪華な所でもないみたい。
あんなに一生懸命に計画を立てたのに。
「一生に一度の豪華旅行」のはずだったのに。
でもある日、ゆっくりと胸に空気を吸い込んだら、
素敵な風車が目に付いた。
綺麗なチューリップが目に付いた。
あら、レンブラントっていう素敵な絵を描く画家も居たのね。
ちょっとずつ、オランダを楽しめるようになってきた。
周りの人たちはイタリア旅行の話で盛り上がってる。
「あそこは素敵だったわねぇ」とか「あら、こんな場所もあったわよ?」とか。
みんなとても楽しんできたみたい。
みんなの話を聞きながら私は思う。
「そうよ。私もそこに行くはずだったのよ」
「イタリアに行く」という夢が破れたショックと痛みは永久に消えないでしょう。
でも、「イタリアに行けなかった事」をいつまでもウジウジと考えていたら、
オランダの素晴らしい風景や文化を楽しめなかったでしょう。
みんなとは違う土地だけど、
私はオランダを思い切り楽しんで、そして大好きになりました。
オランダへようこそ!
*********************************************
よく我が子の障害受容のために、
『わたしがあなたを選びました』とか、
「神様は乗り越えられない試練を与えない」って言葉とかを示されるけど、
きっとこの詩もそのような形で伝わっているんでしょうね。
作者のエミリー・パール・キングスレーさんは、ダウン症のお子さんがいて、
この詩は1987年に書かれたものだそうです。
「あーーーそれだ!!」
まさに自分の感覚はこんな感じだった!!(笑)
と、膝を打ちたくなったので、こうして記事に残しておくことにしました。
旅行やおでかけとなると、まずはガイドブックや現地情報の検索をせずにはいられない、後天性自閉症とも言える私こじまる。
出産前にはハウツー本だの、情報誌だのに飛びつきましたし、
妊婦仲間を見つけようものなら、メールで妊娠、出産ネタばかりしてました。
寝ても覚めても頭の中は妊娠のことだらけで、
産後のかわいいまだ見ぬ我が子との甘い生活の夢ばかりみてました。
(そう、そんなことを懲りずに3回も続けました!!)
だけど行ってみたら、「本に書いてあったこととちがーう!」とか、
「すいません、全然通じないんですけどー?」な連続。
「そっか! 行先が違ったんだ!!」
ってことに今さら気づかされ、そして納得した気分です。
「でもやっぱりイタリアに行きたかった」
とか、
イタリア旅行の話をしている群れに嫉妬を感じる・・・とか、
あ~~~わかりますねぇ~~~~。
オランダの良さはわかったよ。
わかるんだけど・・・・・・みたいな気持ちは、一生ついてまわるのかもしれません。
読む人によっては千差万別らしいこの詩を読んでの感想。
みなさまいかがでしたか?
Welcome To Holland
by Emily Perl Kingsley
I am often asked to describe the experience of raising a child with a disability -- to try to help people who have not shared that unique experience to understand it, to imagine how it would feel. It's like this.
When you're going to have a baby, it's like planning a fabulous vacation trip -- to Italy. You buy a bunch of guidebooks and make your wonderful plans. The Coliseum, Michelangelo's David, the gondolas in Venice. You may learn some handy phrases in Italian. It's all very exciting.
After months of eager anticipation, the day finally arrives. You pack your bags and off you go. Several hours later, the plane lands. The stewardess comes in and says, "Welcome to Holland".
"Holland?" you say. "What do you mean, Holland? I signed up for Italy! I'm supposed to be in Italy. All my life I've dreamed of going to Italy."
But there's been a change in the flight plan. They've landed in Holland and there you must stay. The important thing is that they haven't taken you to a horrible, disgusting, filthy place, full of pestilence, famine and disease. It's just a different place.
So you must go out and buy new guidebooks. And you must learn a whole new language. And you will meet a whole new group of people you would never have met. It's just a different place. It's slower paced than Italy, less flashy than Italy. But after you've been there for a while and you catch your breath, you look around, and you begin to notice that Holland has windmills, Holland has tulips, Holland even has Rembrandts.
But everyone you know is busy coming and going from Italy, and they're all bragging about what a wonderful time they had there. And for the rest of your life, you will say, "Yes, that's where I was supposed to go. That's what I planned."
The pain of that will never, ever go away, because the loss of that dream is a very significant loss. But if you spend your life mourning that fact that you didn't get to Italy, you may never be free to enjoy the very special, the very lovely things about Holland.
テーマ : 発達障害(自閉症、アスペルガー、LD、ADHD、発達遅滞)
ジャンル : 育児