目に見えないものを理解させる?自閉症児の理解と成長
先日の地震で一番困ったこと、それは地震直後に起こった停電。
地震そのものによる被害がなかったことと、自宅で過ごせたからこその発言ですが、普段どれほど電気に頼って過ごしているかを実感することとなりました。
そして、自閉症児ボンズに、停電を理解させる。
もともと見えない電気が「ない」ので遊べないことを、どう理解させたらいいのか、いきなりの本番当日です。
余暇活動で一番必要な電力が途絶えたら?
ボンズの余暇活動は、DVD鑑賞、DSでゲーム&写真撮影、iPodで動画鑑賞、プラレール…等々、とにかく電気に頼りっぱなし。
ポータブルDVD用の充電単三電池
DVDはポータブルDVDで観ているのですが、8本の単三充電電池を2セット、充電して、使用してのくり返しでヘビロテ。
停電したら、今充電器にある電池で最後だよ、だから大事に使ってと言ってはみましたが、理解できるかどうか…
言ってもダメだめで、やっぱり在庫はみるみる底をつきそうに。
本人は気を使ってるようにも見えましたが、それはみんなが停電、地震でナーバスになっているからだったかもしれません。
夕方、スーパーに1時間半並んで、単三電池8本セットを3つ購入し、とりあえず安心できました。
お店では単一電池、単二の順番でなくなっていましたので、単三電池で良かったです。
DSの充電は?
DSがまず一番の問題!
コンセントに差し込んでも充電されないなんて、パニック必須。
家に電気がきていないことが理解できないと、充電してくれ、ケーブルが悪いから買ってくれと騒がれるに決まってる!
幸い、モバイルバッテリー(USB)からDSに充電できるケーブルを持っている友人が、ボンズのことを理解して貸してあげると持ってきてくれました。
ボンズはDSで写真を撮ったり、マリオやトーマスのゲームで遊んだり、音を録音したものを聞いたりとめいっぱい堪能しているので、本当に助かりました。
iPodは?
iPodに充電できないことも大問題でしたが、それより以前に電波状況が悪く、ラインやメール、通話もできない状態でしたので、(基地とかアンテナレベルの問題??)ボンズお目当ての動画なんて観れる状態ではありませんでした。
ただ幸いなことに、ボンズがそこまで動画を見ることにこだわらなかったので助かりました。
プラレールは?
プラレールの電池はほとんどが充電電池。
そして、今プラレールの線路を組み立てて楽しむという気分ではなかったのか、プラレールの電池を抜きまくって、ポータブルDVDに使うことを了承してもらうことに。
停電が収まってからは、購入した電池を片っ端からプラレールにセットしてました。
プラレールの電池なんて、ほとんど減ってなかったんでしょうね。
はまるならこれが一番良かったんでしょうけど…
どうやって停電を教えた?
ボンズの余暇活動に一番重要だと確信した電池の問題。
充電してあげたくても、家に電気がきてない!それをどう伝えたらいいのか?
停電になったのは朝。
視界が利くという意味では良かったんだけど、電気がないことを理解させるには厳しい状態。
でも夜になれば、嫌でも真っ暗な中過ごさなくてはなりません。
この時はまだ、まさか本当に夜まで停電が続くとは思えず、でも、充電電池が空になっても、充電できないことだけどうしても理解してもらいたいと思いました。
テレビが点かないこと、洗面所の電気がつかないこと。目の前でやって見せても、反応はいまいち。
自分で冷蔵庫を開けると、冷蔵庫に明かりが点きません。
それだけではわからないと思ったので、外に出てみようと思い立ちました。
停電した外の世界にパニック!
急きょ休校になったボンズ。
ボンズ的には日が高くなり、単なる休日となってしまってからは、おやつを買いに行くのが楽しみになってしまいました。
でも、スーパーは周囲をぐるりと取り囲むほどの行列で、買い物に出かけた人も、あまりの混雑に買い物をあきらめて戻ってきているという話です。
そんな中、ボンズと何時間も並ぶより、自動販売機でジュースを買ってやろうと思い立ちました!
が、もしかして、停電すると、自動販売機も使えない?
でもまさか、「自動販売機が使えない」なんて場面、自分も遭遇したことがない。
電気の来ていない自動販売機がどうなのか見てみたい気持ちと、
自動販売機が正常に作動しないところを見せたら、ボンズも大規模な停電を理解するかな?と思い立ちました。
「買えないかもしれないよ?」
と言いながら、最寄の自動販売機に行くと、案の定電気がついておらず、「あーダメだったか」と気づきました。
が、ボンズには、納得できるまで挑戦してもらいました。
お金を投入しながら欲しい商品ボタンを押してみたり、ボタンを押しつつお金を入れてみたり、他の自動販売機でも試してみたり。
ここでちょっとしたパニックになりましたが、
「電気が直ったら、絶対また買いにこようね」
と何度も言い聞かせ、家に戻ろうとしましたが、そこでさらにボンズにとって衝撃的な場面が…
大好きな、こだわりの信号きが消えていました。
「ママ、直してーーーー」
と、叫ぶボンズ。
そこでハハは初めて「ここから信号見えたんだ」と気づいたくらいなのですが、こだわりの信号機ですから、ボンズは前から知っていたんでしょうね。
あの、定期的に、規則正しく点灯する、どこへいっても同じ色の信号機。
それに人や車が必ず従うという法則。
あの、「絶対的な存在である信号機」が、どっち方向も点灯していないなんて、ボンズにしたら世界がひっくり返るほどの衝撃だったのだな~…
と、そのパニックっぷりを見て知りました(笑)
見えない停電を理解し、受け入れた?
結果として、2日間の停電となりました。
停電としても長かったし、この辺り一帯が停電してたので、親がまずパニックに。
その様子を見たからなのか、ボンズも「今非常事態(で、親もやばい)」と思ったのか、ボンズのパニックでこっちが参るということはありませんでした。
停電、電気がないんだよということを、どこまで理解できたか?は、はっきりしませんが、でも今困ったことになっていることは、周りの様子などを見てわかったようです。
「なおしてーー」と何度も言ってました。
言葉がじょじょに出てくるようになった分、こういう言葉での要求も、親は精神的にきつかったというのもありました。
電気はためておけない、なら、いつか自家発電とか欲しいです(笑)
テーマ : 発達障害(自閉症、アスペルガー、LD、ADHD、発達遅滞)
ジャンル : 育児