I was 異邦人

Category : ハハのキモチ ~’14

自閉症の人に接するには、外国人にするような対応がいいそうです



世の中の流れにうとかったり、会話を聞き流している状態らしい、
自閉症のボンズ。

それは、言葉のわからない外国に行った時の感覚に似ているらしいので、
自分が初めて外国に行った時のことを思い出してみた。



飛行機の前輪がガクンと衝撃を受けて、カナダについたと思った時、
「今まで(言葉が通じていた世界)とは違うんだ!」
と、初めて異国に行った心細さを感じた。

ボンズは生れ落ちた瞬間から、今までずっとそんな気持ちなのかな?


入国してはみたものの、
右へ行ったらいいのか左へ行ったらいいのか、
前を見たり、後ろを振り返ったり、
自分を追い越していく人たちの流れを見てみたり…途方にくれたっけな。


やっとこバス乗り場を見つけたら、切符売り場のおばちゃんが、
「この色よ、この色のバスに乗るんだよ。これ以外のバスに乗ってはだめよ」
と、そばにあった小冊子の表紙を見せながら(視覚支援だ!)何度も言った。

わかった、わかったとうなづいていたのに、心配だったらしいおばちゃん。
とうとううちの手を引いてバス乗り場まで連れて行き(移動支援?)
完全にバスに乗って運転手さんに託すまでついててくれたよ。

バスを降りる時には、そばにいた乗客のおじさんが、
うちのスーツケースをひょいと持ち上げておろしてくれたの。
単なる乗客のおじさんが。


二十歳を過ぎて、学校も卒業して、自分でお金をためて旅行にきたのに、
(大陸基準で行くと)小柄で童顔だったせいか、
やたらと周囲が子ども扱い?なくらいに、手を差し伸べてくれたんだ。 


少数派のつらさを抱える自閉症、周囲の理解でつらさ軽減



 バンクーバーはアジア系の住民が多いので、
身軽で歩いている時には誰も干渉してこないんだけど、(あやしい人以外)
ひとたび「次の街へ」と大荷物をしょった時には、あちこちからヘルプの手が伸びた。


内陸の、観光客も少ないんだろうという小さな街に行くと、
なんだなんだ?という注目を浴びた。
大きな街では、気にも留められなかった。

「異邦人とみるか」否かは「周囲の考え方」なんだと思った。



さらに東に進み、フレンチカナダの世界に入った途端、
右か左かの見当すらつかなくなった。

空腹を満たそうと街中にあるフードコートに入ってみても、
どれがメインでどれがデザートなのかもわからない。

「英語はどこ?? フランス語なんて想像もできない!」


適当に頼んでみようとも思ったけど、
あったかいコーヒーと冷たいコーヒーが出てくる可能性もある… 見当もつかない世界にいる感覚って、それが初めてだった。

チャイニーズの店頭で、
「本日のおすすめ」…とでも書いてあるんだろう看板を指して、
指を一本立てて見せた。

わかったわかったと大きく何度も無言で頷くアジア系の店員。

「飲み物は?」と聞いてきた(らしい)。
きょとんとしていると、ジェスチャーで飲み物を問うしぐさをしてきた。
「…あぁ! COKE!!」
わかろうとしてくれた人のおかげで、
うちはおいしい「牛丼?」のようなものを食べられた。 


わかっていても、思った通りの反応をできない自閉症。何もわかってないわけではない



 ここまで書いていて気がついた。

うちは子どもに接するように扱われても、全然嫌な気がしなかったけど(当時は本当に子どもだったということだろう)、
何かが不自由な人を見ると、つい子どもに対するような接し方をしてしまわないだろうか?

子ども専用の写真館で、子どもたちじゃなくて、うちに対してまで子どもに対するような話し方をされて、かなり気分が悪かった覚えがある。



人種のモザイク、カナダでは、子どもにこんなことを言って聞かせるらしい。

「英語が上手じゃない大人がいたら、その人はもうひとつの国の言葉が話せるんだよ」



言葉が不自由なことは、人間として未熟なわけではない。
「言葉」に頼って暮らしていると、ついそんなことを忘れてしまうんだよね。



言葉でのコミュニケーションが苦手なボンズ。

だけど世の中が、わかろうとしてくれる人ばかりだったら、
伝えられない心細さも減っていくはず。
わからないなりに伝えようとして、生きてくことができる。


わかってあげようとする人が増えれば、自閉症は障害でなくなるはず



 英語とフランス語が公用語のカナダ。
人種のモザイク、カナダ。
移民の多い、世界一暮らしやすいといわれるカナダ。
英語ができないことを、恥ずかしく思わずにいられるカナダ。

そんな国にも、
一生懸命伝えようと、考えて、必死でジェスチャーつけながら必死で話しかけるのを、

「きゃーーーこの外人なんか言ってるーーーー誰か助けてぇぇーーー」
的な態度をする人もいた。


そんなことをされたら、どんなに悔しくて、悔しくて、
ただ立ち尽くして涙を流すしかなくって、
「もういい!!」と日本語で叫んだって、
でも伝わらない、伝えなきゃ進めないのに伝わらない苦しさ・・・



そんな経験、してんじゃん、うちも。


だったら、その気持ちを忘れないようにしよう。

わかろうとしてくれる人には、伝えられる。
わかってくれようとしない人も、残念ながら、世の中にはいる。

ボンズには、伝えようとする勇気を持ってもらいたい。

そしてうちは、
伝えようとする気持ちに気づける人間になりたい。

テーマ : 発達障害(自閉症、アスペルガー、LD、ADHD、発達遅滞)
ジャンル : 育児

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プロフィール

こじまる

Author:こじまる
H17年6月生まれの長男ボンズ。
自閉症と最重度知的障害を併せ持つ中学2年生。

3才から小集団+個別の療育を受け、
4才から加配付保育園で過ごし、公立小学校の特別支援学級を卒業。
中学からは特別支援学校に転籍。
週に5日放課後(等)デイサービス併用。

「自閉症」はおろか「発達障害」を知らなかったハハこじまると、ボンズの無限の可能性を心酔するチチ、高3の姉コッコ、小6の弟チビスケの5人家族。

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