重度知的障害のあるボンズ。今通っている小学校の特別支援学級にも、自閉症の子はたくさんいますが、知的障害がどの程度かによって、困り感は全然違うように感じています。
小学校入学の際にもかなり迷いましたが、中学校進学に際してもまたまたモヤモヤ迷っています。
でも!
あーだ、こーだ言っててもしょうがない。
決断のためには、とにかく見学ありきと思っています。
地域の中学校、特別支援学級の見学、説明会に参加しました
毎年行われている、中学校の説明会に出席してきました。
ボンズが3年生の時から参加しているので、4回目になります。
今回、初めてメインの担任が異動になった後ということで、後任の主担任がどんな方なのか、とても楽しみでした。
朝の体力づくりの場面を見学。
クラスの人数や、学年ごとの人数、体力づくりもその子に合わせたプランで行われていることなどを、今年着任されたメインのH先生にお聞きしました。
子どもたちに愛情を感じ、底抜けの明るさを感じるベテランの教師、という感じでとても好印象です。(女性です!)
その後、教室でまず支援級の説明がありました。
H先生はいらしたばかりということで、ここは以前からいらっしゃるS先生た対応してくださいました。
ちゃきちゃきと明るく、おっとこ前感さえ感じさせる先生で(女性ですが)、保護者の対応もはきはきしていて、とても頼りになりそうな感じがしていました。
その後、子どもたちが朝の会をしているところを見学し、少人数にグループ分けされた数学を見学し、作業の時間を見学してから、再び別室でお話を聞くことになりました。
中学校で子どもが過ごす時間はとても長い!終日口頭指示が通るか?
ここも、以前からいらっしゃるS先生が対応してくださりました。
長女が在籍していた頃から(この春卒業しました)何度も顔を合わせていますし、長男ボンズも何度も交流にきているのをご存じでいらっしゃいます。
その気安さもあり、高校はあちこちを見学し、養護学校高等部に決めていることを伝えました。
またその前後に、深い意味もなかったのですが、一日の流れのところで(日課表)、
「ここに絵をつけることはできますか?」
と聞いたんです。
考えてみたら、小学校でも絵はなかったんですけどね。
するとS先生顔を曇らせて、
「高校では、絵はおろかふりがなすらもなくなるんです。
ですから、絵をつけることはありえません」
と、困ったようにおっしゃいました。
なんていうのか…
その時にものすごいショックを感じました。
娘も通っていましたし、その前から何度も出入りしている中学校だし、勝手に親近感を感じていたんですよね(親の親近感関係ないですけどね)。
自閉症にとって絵は言葉。
文字が読めないから絵で伝えてくれ、というのとは違う
と、自分では理解しています。
単なる知的障害の重さで、文字が読めないから絵にしてくれというのとは違う。絵は自閉症の言葉で、素早く理解するためのスパイスであると。
そこを否定されたような気持ちになっちゃったんですね。
さらに、
「朝から下校の4時まで長い時間、終日口頭指示が通る子でないと、ここ(支援級)は厳しいと思います」
と。
これで、はっきり、うちの子は歓迎されていないと感じましたね。
ですから、別室で親たちが集まって「質問に答えますよ」と言われても、うちからは聞くことはありませんでした。
一緒に参加したハハたちが、来春から通うにあたっての細かな質問事項を聞いたり、イメージを膨らませていく中、無言で帰ってきました。
支援級は厳しいって、どういうこと?
ボンズの中学校について真剣に悩む前から、中学生や高校生のお子さんがいる先輩ママさんに会うたびに相談したり、お子さんの様子を聞いたりしていました。
そこで、とても気になっていたのが、
「支援級って厳しいって言うよね」
という言葉。
厳しいってどういうことだろう?
生きていくために、厳しさを持って教えなければならないことはいくつもあると思う。
そのために厳しいのであれば、むしろ歓迎。
ハハ、やっぱり緩いというか、甘くなってしまう部分あります。
だけど、無理?というか、ただ厳しく当たるだけの対応というのなら、それは疑問に思います。
一番悩んだのが、
「ひとりごとは、止めます」
という言葉。
これを言った先生は異動になられたので、そのまま継承されていることかはわかりません。
独り言って、止めたら止まるんだ?
確かに、1人で道を歩いている時に独り言をいう大人より、我慢できる場面では止められた方が生きやすいと思う。
でも、終日独り言を制止されたストレスはどこへ行くのかな?
きっと、ボンズのジャンプや謎の笑いも止めなきゃね。
いっとき我慢することができて、その後解放される場面があるといいなと思う。
もしかしたら、先輩ママさんがいう厳しさって、こういうところだったのかな?
やめた方がいいこと、止めた方がいいこと、たくさんあります。
でもそれらの奇異な行動は、それなりに、本人なりの、理由がある行動。
それらを止めることで、自分を否定されてる気持ちにならないかな…と思うと、ハハ不安なのです。
しかし、この辺が甘さだと言われるのなら、その通りだとも思います。
この春、うちらの支援級に転籍してきたお母さんも、質問しました。
「高校受検、落ちたらどうなるんですか?」
その質問に、対応してくれたS先生は誇らしげに答えました。
「今まで、私が着任してからは、高等支援に落ちた子は一人もいません」
それまで話題にしていたA高等支援、B高等支援、C高等支援…
いずれも、ボンズハハとしては、「え?」というくらいレベル(?)の高いところです。
見学しても、「この子たち本当に療育手帳持ってるの??」という子たちばかりで、
「うちの生徒は軽度の子だけです」と言い切る先生もいました。
全ての教科、教科書での勉強で、生活単元学習のないところばかり。
だからこそ、ボンズは「実際にお買い物に連れて行ってもらって学べる学校がいい」と、養護学校の高等部が、ボンズにとって一番いいと思えたのです。
ですから、私は高等支援校受検を今から除外して考えています。
地域の中学校の支援学級に入学を希望する理由は、今の同学年の、交流のある近所の子どもたちとの縁を、あと三年つなげておきたかったからです。
「受検予備校みたいだったね」
見学を終えた後、一緒に参加したママたち5人でランチしていたら、そんな言葉がみんなから出てきました。
学年の教科書を使って勉強している子のママも、さらに先の勉強をしているような子のママも、高学年になって転籍してきた子のママたちも、みんな、自分と同じように「厳しさ」を感じて凹んでいるのが不思議でした。
というか、うちが全くの無茶を企んでただけなのかもしれませんけどね!!
ボンズがボンズのままでいいよ、もっといいとこ見つけて伸ばしてあげるよ、と言ってくれる場所があるのなら、そこが支援級でも支援校でも構いません。
でも、これで、支援級じゃないのかなとも思いました。
テーマ : 発達障害(自閉症、アスペルガー、LD、ADHD、発達遅滞)
ジャンル : 育児