いまいち手の出なかった本ですが、読んだらおもしろかった
超ーおもしろかった!
手にしてから即読です、そしてすぐに読みきっちゃいました。
この本の存在を知った時は、
対談形式かぁ…(読みにくそう)
表紙からなんかな~(変に、明るくおちゃらけて自閉症を語っているのかと)
自閉症の翻訳家って??(ご本人が自閉症とは知らなくて)
等々、
ちょっと抵抗もあったのですが、書店サイトの読者書評を読んでひかれていました。
読み始めたらおもしろ~い!!
対談をしている3人のうちお2人が自閉症者で、 その身体的特徴を中心に話が進んでいるのですが、
お2人とも大人になってから診断を受けたので、 自分たちの特異な症状を「みんなそうだと思ってた」とか。
自閉症者ならでは(?)の「言葉のストレート受け」のエピソードに大爆笑して、しばらく読み進めなくなるほど!!
(詳しくはネタバレになるので書かないでおきますね!)
とにかく、自閉は定型発達(ここでは非自閉の人を指します)とはまったく違う世界、感覚の中で生きていることを、はっきりと知らしめてくれます。
まさに、異文化コミュニケーション、異次元からきたプレゼンテーターだったようです、うちのボンズは。!
知的障害さえなければと思っていた私、自閉症の本当のつらさとは?
そしてなによりも…
息子の自閉症を知って数ヶ月、
うちの進む方向性を左右するかもしれない、
劇的な出会いの本であったことも言わせてください。
実は、
ネガティブなカミングアウトさせていただきますが、
本当はこんなこと言っちゃ、思っちゃいけないのは重々承知な上なんですが、
自閉症かどうかが問題ではなく、
ボンズの知的障害さえなければ…
と思っていました。
知能や言葉に遅れがなければ、それさえなければ、
きっと、しれ~~~っと普通学級に行って、社会に紛れ込むことができる、
と、思っていたんです。
知能や言葉に遅れがなくても、
それはそれで大変であることは、わかってるつもりでした。
特に、「言葉」にいちいち反応しては、口の達者な上の子にキーキー言ってるこじまるですから、
ボンズを赤ちゃん扱い?して、すべてを受け入れていられるのは、
彼が無口(笑)だからかもしれないんですよね。
それに、○○症よりは良かったとか、××よりは良かったとか、
他の障害と比べて焦ったり、ホッとしたりしている部分があったかもしれない!
と、気づかされました。
自閉症者の本当のつらさとは?一般就学、就労をあきらめる楽さもあり?
自閉症は、社会的発達の遅れだとか、コミュニケーションの障害だとか(それらはすべて多数である定型発達側の言い分でしかありません)、
想像力の問題だとか、こだわりとか(いやいや、自閉の方がはるかに豊かな想像力の中を生きています)、
いろいろと特徴は述べられ、語られ、研究をされていますが、
一番の問題は、
この本にあるような身体的な不具合の問題なのかもしれません。
そこから、さまざまな問題に波及していると言っても過言ではありません。
それを、知りました。
たとえボンズが知能の遅れがなくても、
もしかしたら歩くだけで、食べるだけでいっぱいいっぱいなのかもしれない。
それなら、週に5日、定型発達の人たちの中に紛れ込んで、
朝から晩まで会社勤めをして生計を立てるなんてことは不可能?
と、考えたら、ちょっと気が楽になった部分もあります。
私たち自閉の子を持つ親は、
定型発達の人に合わせて、「追いつかせなければ」と考えているから、つらいのでは?
「普通」(定型発達の人たちの多くが選ぶ進路)にこだわらなくていいのなら、
気が楽! うちはね(笑)
「他の子と同じように」ではなく、その子なりの幸せを求めたい
ボンズの好きなこと、得意なこと、これをやってる時が楽しい、幸せ!ってものが見つけることができれば、
親の役目はそれで終わってもいいくらい♪
ボンズが幼児期に、この本に出会えたことを感謝して、
ボンズの規則正しい生活や、体力づくりに励まなくては!と思えたのもラッキーでしたね。
将来を心配したり(もちろんするけど)
泣き暮らしたり(後で立ち上がれるならそれも必要!)
いじけたり(親がいじける必要ナッシング)
どうしてそういう風にならないのかな??って、
自分で自分が不思議だったんだけど(いや、ちゃんと心配はしてるし不安もいっぱいあるんですよっ)、
なんだかこの本を読んだら、
自分はこのままでいいのかな~と、思えるようになりました。
何より、
「(いろいろ理由を述べた後で)だから定型発達の人って何がおもしろくて生きてるのかなって思います」
と言って、
「私は生まれ変わってもまた自閉っ子に生まれたいです」
の一言には、びっくりもし、そして、ボンズも同じくそう思ってくれたらいいな~~~~と思ったのでした。
とにかく、一読の必要アリ!と断言しておきますっ。
テーマ : 発達障害(自閉症、アスペルガー、LD、ADHD、発達遅滞)
ジャンル : 育児